奈良県広域消防組合 様

県民の命を守るため県下全域をカバーする情報インフラ『光回線ネットワーク』サービス

バス
課題
業務効率化 / セキュリティ対策強化
業種
公共・自治体
従業員規模
1,001名以上
導入サービス
イーサネットVPN

大規模化する災害や、高齢化に伴う救急搬送の増加などに対処するため、消防体制の強化が求められている。国が打ち出した消防の広域化方針に伴い、奈良県は全国最大の消防組合を設立した。37市町村が参加する奈良県広域消防組合の生命線、消防ネットワークインフラは『光回線ネットワーク』が支えている。

サービス導入レポート

奈良県内の11消防本部を統合し、消防体制を強化

2009年4月、奈良県は奈良県消防広域化協議会を設立し、消防の広域化に関する協議を始めた。約5年間をかけて議論を深めた結果、2014年4月から、37市町村・11消防本部を統合する奈良県広域消防組合がスタートしている。
「消防の広域化によって、災害時の現場力が強化されます。本部機能が集約されることにより現場の消防隊員が増えるため、災害への対応力が高まるのです。加えて2016年4月からは、119番通報の受信場所が一つになり指令命令系統が一元化されます」と、施設管理課システム係副主幹の中尾和靖氏は広域化の狙いを語る。
これにより火災発生時の消防活動では初動体制が強化され、現場への到着時間が短縮される。これは119番通報を受けた段階で、県下全域の状況を判断し、現場に最も近い消防署から出動できるためだ。また、事務作業が集約されれば、これまで事務部門に所属していた職員も消防隊員として活動できる。さらに、従来、各消防署が独自に構築していたネットワークを一元化するので、経費削減にももちろん貢献する。
ただし広域化を実現するためには、県下全域を結ぶ高速通信ネットワークが必要となる。理想は光回線だが、県南部は奥深い山岳地帯であり光回線を引くことは容易ではない。

消防署

各消防署間のスムーズな連携を支えるネットワーク環境

県内全域を100%光回線で結ぶ

広域化は、まず2014年4月に総務部門が統合され、2016年には通信指令部門へと進み、2021年に現場部門の統合により完成する。
総務の事務作業を本部で一括処理するためには、各拠点からの情報を吸い上げる必要がある。
「管理する情報は、人事給与や財務関係の情報に加えて、消防統計に関するデータなどが含まれます。こうした重要なデータを扱う情報系ネットワークには、セキュアな通信回線が必要です。そこでシステムを担当するパナソニック システムネットワークスさんをフロントとしてケイ・オプティコムさんに通信回線の構築に取り掛かっていただきました」と、当時構築を担当した総務部人事課人事係副主幹の寺下訓啓氏は振り返る。
時間的猶予はまったくなかった。広域化にゴーサインが出たのが2013年の9月、組合の設立は翌年4月で絶対に動かせない。県下の38拠点をすべて100%光回線で結ぶためには、新たに光ケーブルを引かなければならない地域もある。一部地域では敷設工事の予定日に雪が降るアクシデントもあったが、何とか納期までに情報系ネットワークの構築は完了した。今後、システム経費は半減する見込みだ。

打ち合わせ

写真右から、奈良県広域消防組合 消防本部の森昌子氏、中尾和靖氏、寺下訓啓氏と打ち合わせをする古賀稔章

絶対に止められないデジタル無線・指令系ネットワーク

情報系ネットワークに続いて、2016年の完成を目指して急ピッチで整備を進めているのが、デジタル無線・指令系ネットワークである。指令系システム統合の実現には、県内全域を無線で結ぶ基地局を設置しなければならない。デジタル化によりデータ通信量が増えることを考えれば、光回線が必須となる。
「無線でカバーできるエリアが最も広く取れる地点を調査し、基地局の設置場所が決まりました。中には奥深い山間部もあり、最低でも数十キロ程度は、光回線を新設する必要がありました」と、警防部通信準備室係長福井宏行氏は回線敷設の難易度の高さを指摘する。
しかも災害時にこそ必要となる指令系ネットワークだから、何があっても止めることはできない。当然、回線の信頼性が求められる。
「コストを考えると非常に厳しい条件でしたが、通信インフラを担う事業者としての社会的責任を一番に考えました」と、語るケイ・オプティコム法人・公共事業推進本部の古賀稔章は、現地調査のために自ら何度も山中に足を運んだという。
ネットワーク完成の暁には、ついに指令命令系統が一元化され、消防体制の充実・強化が実現する。県民の安心・安全を守るための消防ネットワークインフラは、ケイ・オプティコムが提供する高信頼・高品質の光回線ネットワークサービスによって確保されている。

福井宏行氏

デジタル無線・指令系ネットワークを担当する福井宏行氏

ネットワーク構成

ネットワーク構成図

お客さまプロフィール

奈良県広域消防組合
奈良県橿原市慈明寺町149番地の3
TEL:0744-26-0119(代表)
http://www.naraksk119.jp/

奈良県広域消防組合は、2014年4月1日に、県内11消防本部を統合し誕生した。統合後の組合の職員数は約1,300人、管轄範囲の人口は約90万人に及ぶ。ほぼ県下全域に及ぶ規模の消防広域化は全国でも初めてのケースとなる。統合により予算規模が大きくなり、高機能設備の導入や、消防隊員を消防大学校などに派遣して高度な訓練を受けることも可能となる。通信指令部門の一元化により、大規模災害時の広域的な対処も可能。消防の広域化を推進する国にとってのモデルケースとして期待されている。

奈良県広域消防組合
お客さまの声

費用対効果のより一層の向上に期待しています

奈良県広域消防組合 消防本部
施設管理課システム係 副主幹
中尾 和靖氏

正直なところ、当初は情報系ネットワークの構築ぐらい簡単にできると考えていました。ところが、実際には新たに回線を引かなければならないところもあり、思っていた以上に時間がかかることが分かりました。とはいえ、納期は絶対に死守しなければなりません。我々も大変でしたが、ケイ・オプティコムさんは、それどころではなかったはずで、担当の古賀さんにはかなり頑張ってもらったと感謝しています。次は、デジタル無線・指令系ネットワークの構築が残っていますし、今後も費用対効果の高い提案を期待しています。

中尾 和靖氏

サービス名、会社名等は、各社の商標または登録商標です。
掲載内容は2014年12月時点のものです。

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