TOPCHALLENGE PROJECT > #01 レコード愛で幸せのサークルをつくる REVINYL リバイナル

#01 レコード愛で幸せのサークルをつくる REVINYL リバイナル

ビジネスと趣味の幸福な出会い

「趣味を仕事にしたのではなく、ビジネスチャンスの線上に趣味があったんです」と話すのは、アナログレコードのマーケットプレイスを活性化させるプラットフォームサービス『REVINYL(リバイナル)』のプロジェクトリーダーを務めた山下だ。
『REVINYL』の柱は、スマートフォンアプリ・メディア・デバイスの3つ。アプリにはレコード情報の検索機能や、自分が所有するレコードのライブラリをつくって他のユーザーとシェアできる機能などがあり、今後はアプリ内で売買できる機能も追加する予定だ。オウンドメディアの『DONUTS MAGAZINE』では、独自の切り口でレコードや音楽情報を発信。デバイスに関しては現在さまざまなアイデアが練られている。
言うまでもなく山下は骨の髄までレコードを愛するマニアだ。となると誰もが「趣味を仕事にした」と思うところだが、その答えは先述の通りである。では、どのような経緯でプロジェクトは立ち上がったのか? そこには確たるロジックがあった。

pic

ブームではなく文化だからこそ
取り組む価値がある

近年CDの売上は下降線を辿っているが、その裏でアナログレコードの売上は伸びている。2016年の世界におけるレコードの年間販売枚数は3750万枚(約630億円)に達し、これは前年比23.5%アップになる。日本も諸外国に比べて市場規模は小さいものの着実に伸びている。
「こうした状況は一過性のブームではなく、土台には脈々と息づいているレコード文化があるんです。また、今後“もの”を売買する関係性はニッチ化していき、そこから大きな流れが生まれると考えています。こうしたレコードを取り巻く状況とビジネスとしてのポテンシャルが合致したんです」(山下)。
大きな可能性を持っていると言っても、すぐに企画は通らない。会社からプロジェクトを進めるための裏づけが求められる。山下をはじめとするメンバーは会社を納得させるためのデータ集めに奔走。何度もプレゼンを繰り返した末に承認を勝ち取った。「勝負を決めるのは、提案する者の本気度だと思います。しかし、このような企画にチャレンジできるのは弊社だからと言えますね」と山下。こうしてプロジェクトは本格的に動きだした。

pic

サービスの価値を決める
ディテールにこだわり抜く

アプリの制作を担当したのは、関係者を通じて知り合った企業(モンスター・ラボ社)で、中国に開発拠点を置いている。基本的な仕様は山下が考え、それをもとに開発を進める流れになった。ところが、ここで大きな問題が発生した。基本的な仕様以外でも山下の注文は多い。レコード好きが必要とする機能や遊びの要素を盛り込むことを忘れない。こうした細部のこだわりがサービスの価値を決定づける。コアなユーザーを対象とする『REVINYL』にとっては肝要となる部分だ。
しかし中国にはレコード文化が根づいておらず、アプリ開発担当者もレコードを触ったことのないCD以降の世代。なかなか、山下が実現したい細部のこだわりが伝わらない。だからといって譲るわけにはいかない。山下は毎日Web会議を開いて説明を重ね、開発拠点の中国にも足を運んだ。このようにコミュニケーションを密にとることで開発は少しずつ軌道に乗りはじめた。

pic

多くの人を巻き込んで
レコード文化を盛り上げる

プロジェクトの目的は単にアプリをつくることではない。『REVINYL』というサービスを通じてレコード文化、市場を活性化させることである。そのためには多くの人に関心を持ってもらうためのメディアが必要だということになり、急遽『DONUTS MAGAZINE』をつくることになった。オウンドメディアをもつことで、既存のレコードユーザーだけでなく、少しでもレコードに興味を持つライト層にもアピールできる。また、レコードショップやアーティストと関係を築く場にしたいと考えている。
こうして『REVINYL』は、2107年10月にリリースされた。「まだまだ改良点はありますし、やりたい企画も山ほどあります。ビジネスとして成功させたいし、自信もある。レコードで音楽を聞く文化が浸透して、市場が活性化する、デジタル世代の若い人がレコードを持って街を歩く景色とか最高じゃないですか(笑)。」と話す山下。やはり根っからのレコードマニアである。

pic

このプロジェクトにご協力いただいているパートナーさま

弊社、モンスター・ラボは、「多様性を活かす仕組みを創る」「テクノロジーで世界を変える」をミッションに、現在世界8ヶ国16拠点グループ全体800名でお客さまのデジタル・パートナーとして事業IT化のお手伝をさせていただいております。
これまで、そして今も多くの新事業開発をご担当される方々とお仕事をさせていただいておりますが、その方々の中でも山下さんは飛び抜けて情熱と実行力をお持ちで、また、とても楽しそうにお仕事をされるのが印象深い方です。新規事業や新サービスというものはすべからくリリースした直後や、ユーザーがついてきた時など、フェーズごとに適したサービス、機能(技術)の改善が求められますが、それらに正解はなく、リリース後の反応を見ながら、都度協議して軌道修正をかけながら進めていく必要がございます。そこで大事なのがスピードなのですが、山下さんはとにかく早く決めてくださります!このスピードを保持し続けられる理由が、先程申し上げた山下さんの印象からうかがえる特徴ゆえであり、弊社はもちろん、プロジェクトメンバーを同じベクトルに向かわせる、良い意味での巻き込み力とリード力があってのものだと思います。
山下さんの熱いアナログレコード熱にほだされ、また「REVINYL」が掲げられているミッションに共鳴し、私たちも同じ想いで本事業に向き合っています。アナログレコード市場の風雲児「REVINYL」が世界に広がることで、アナログレコードで音楽を聴く文化がグローバルに浸透する…その実現に向けて、これからも一番近くで無理難題(笑)を乗り越えながらいっしょにサービスを創り上げていきたいですね!

  • モンスター・ラボ 小蔵圭輔さま
  • モンスター・ラボ 平塚振宇さま
  • モンスター・ラボ 友部仁傑さま